家づくりでは、間取りを決めるのに何ヶ月もかける。コンセントの位置ひとつで何度も悩む。その一方で住宅ローンは、営業から出された提携ローンをほとんど比べずに決めてしまう。
家は建ててしまえば形が決まる。だが住宅ローンは、そこから何十年も払い続ける義務になる。
我が家は最初に住宅ローンを借りたとき、選べた金融機関が地元の地方銀行1行だけだった。
そして、最初に借りてから3年後に借り換えている。
住宅ローンを借りる際、銀行を比べるかどうかで、総返済額は数百万円変わる。
もし最初から複数の銀行を並べて、いちばん条件のいい先を選べていたら——。その「もし」が、4年経った今も消えない。
これから借りる人には同じ後悔をしてほしくない。
だからこの記事では、住宅ローンの契約前にやっておけばよかったことを書く。あわせて、やらなかった我が家が比べられないまま返済した3年4ヶ月で、利息をいくら払ったのかも出す。
結論:提携ローンだけで決めず、契約前に一度は並べて見るべきだ

先に結論を書く。住宅ローンは、ハウスメーカーの営業から紹介された提携ローンだけで決めてはいけない。契約前に一度は、自分の条件で借りられる先を並べて見るべきだ。
実は、我が家はこの比較をしたくても、できなかった。
理由は土地にある。我が家が選んだのは、換地前の新規分譲地だった。購入した時点では、まだ自分名義にならない土地である。
そのため住宅ローンを借りられる金融機関は、地元の地方銀行しかなかった。しかもその銀行は、元利均等型しか扱っていなかったのだ。
3年後、やっと換地が完了して銀行の選択肢が増えた。
そこではじめてネットの比較サイトを使い、金利の安いネット銀行に借り換えている。
諸費用を差し引いた実質で、約196万円が浮いた。
そして、その諸費用は借り換え手数料など約131万円かかっている。
最初から自分に合う条件で借りられていれば、借り換え自体が要らなかった。
銀行や条件の選び方で、これだけの差が出る。
だからこそ自分が今どんな選択肢を持っているのかを、契約前に知っておくべきだ。
金利0.5%の差で、総返済額はいくら変わるか

では、ハウスメーカーから紹介された提携ローンと比べて、金利はどれくらい変わるのか。我が家の場合、借り換えで0.455%下げることができた。ほぼ0.5%の差である。
「たかが0.5%」と思うかもしれない。数字にすると、印象がかなり変わる。
4,800万円を35年・元利均等・全期間同じ金利で借りた場合の試算がこちらだ。
| 金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 0.5% | 約124,600円 | 約5,233万円 |
| 1.0% | 約135,500円 | 約5,691万円 |
| 差 | 約10,900円 | 約457万円 |
毎月1万円ちょっと。35年で総返済額で約457万円の差である。
オプションを削るか削らないかで悩んでいた金額の、何倍にもなる。
ただし、これはあくまで同じ金利が35年続いた場合の試算である。0.5%・1.0%も比較のために置いた仮の数値だ。借入額・返済期間・返済方式によって結果は変わるし、実際の金利は申込時期と審査で決まる。
2026年8月時点は金利の上昇局面にある。この差が、これからもっと広がっていく可能性もある。
だから少し面倒でも、申し込み前に金利の比較は絶対にやっておく価値がある。
とはいえ銀行を1行ずつ調べるのは、現実的ではない。
我が家が使ったのは、約30の銀行をまとめて比較できるモゲチェックだ。
※登録は無料。モゲチェックは電話相談に対応しておらず、我が家の場合、約3ヶ月のやり取りで営業電話は一度もなかった。
比べられないまま返済した3年4ヶ月で、利息はいくらだったか

ここまでは、金利が0.5%違うと総額でどうなるかという試算だった。では、実際に銀行を比べられなかった我が家は、借り換えまでの間にいくら払っていたのか。
最初に借りてからの3年4ヶ月ぶんを計算してみた。
我が家の当初条件は、2021年11月に借りた4,800万円・35年・元利均等・変動0.55%である。借り換えるまでの3年4ヶ月で払った利息は842,724円だった。
| 金利 | 3年4ヶ月で払う利息 | 実際との差 |
|---|---|---|
| 0.55%(実際) | 842,724円 | — |
| 0.45% | 688,981円 | −153,743円 |
| 0.245%(借り換え後と同じ金利) | 374,522円 | −468,202円 |
金利0.1%につき、この3年4ヶ月で約15万円。1年あたりにすると約4.6万円である。
いちばん下の行が分かりやすい。仮に最初から、借り換え後と同じ0.245%で借りられていたとしたら、毎月の差は6,397円。3年4ヶ月で約47万円になる。
月々で見れば大したことのない額が、結構大きい差になるのだ。
ただし0.245%は、2025年3月に借り換えたときの金利である。2021年当時にどの銀行が何%で貸してくれたのかはわからない。
だから47万円は「もし当時もこの金利で借りていたら」という仮の話だ。
損をしたのは金利だけではない。我が家は元金均等型を選ぶつもりで準備していたが、その銀行では使えなかった。切り替えられたのは、借り換えのときである。
この経緯は別記事に詳しく書いた。

ここから言えることは一つだ。自分がどの銀行を選べるかは、自分の条件で決まる。そしてそれは、調べないと分からない。
金利タイプや返済方式の考え方は、こちらにまとめている。


私が借り換えの際に銀行の比較に使ったサービス

換地が終わって選択肢が増えたとき、私が使ったのがモゲチェックだ。
約30の主要銀行を一括で比較でき、条件に合う候補を提示してくれる。仮審査の申し込みまで画面上で管理できる。費用はかからない。
ただし、並ぶのは提携している銀行だけである。世の中のすべての銀行が出てくるわけではない。
そのうえで、これから借りる人にも役に立つと思っている。
理由は、「自分の条件で、どこが候補になるのか」を申し込む前に一覧で見られる点にあるからだ。
我が家に足りなかったのは、まさにその情報だった。
同じ情報を、これから借りる人は契約前に受け取れる。
この比較を経て、実際にどう借り換えたのか。金額の内訳と手続きの流れは別記事に書いた。

登録から診断結果まで、実際どうだったか

「登録したら何をさせられるのか」が分からないと、踏み出しにくい。私が実際に体験した流れを書いておく。
入力は5分もかからなかった
借り換えのシミュレーションで入力したのは、次の4つだけだった。
- 現在の住宅ローン残高
- 現在の金利
- 残りの返済期間
- 毎月の返済額
手元の返済予定表があれば埋まる情報だけだ。これから借りる場合は聞かれる項目が変わるが、オンラインで完結する仕組みは同じである。
結果は1時間以内に届いた
私が登録したのは夜の21時53分だった。その場で「プラン作成中」と表示され、同じタイミングで診断結果が届いた。
プラン作成の受付時間は9:00〜22:00で、登録から1時間以内に結果が出る仕組みだった。時間外に登録すると翌日になることもあるようだ。
電話は一度もかかってこなかった
いちばん不安だったのがここだ。結論から言うと、約3ヶ月のやり取りを通じて電話は一度もなかった。
連絡はすべてマイページのメッセージ機能経由だった。そもそもモゲチェックは電話相談に対応していない。
登録から本審査承認までのやり取りは、日付つきで別記事に全部載せている。

使わないほうがいい人と、正直なデメリット

いい面だけ書いても判断材料にならないので、弱いところも書く。
- 「審査に通る可能性が充分」は合格通知ではない:最終的な可否は各金融機関の審査で決まる
- 表示される銀行は提携先に限られる:世の中のすべての銀行が出てくるわけではない
- 仮審査と書類準備は自分でやる:代行はしてくれない、銀行とのやり取りは電話ベースとなる
- FP相談はリアルタイムではない:その場ですぐ答えが返るわけではない
- 投資用・事業用ローンには対応していない
- 年収300万円未満の方、自営業・法人役員の方は紹介が難しい場合がある:提携金融機関の条件に合わないため
詳しくはこちらに書いた。

まとめ|4年前の自分に渡したいこと

提携ローンが悪いわけではない。手続きは早いし、必要書類をハウスメーカーが提出してくれるため手続きが楽になるメリットもある。
問題は、比べていないと、提示された条件が良いのか悪いのかの判断ができないことだ。
借りて4年、借り換えも経験して思うことを、3つにまとめておく。
- 提携ローンが悪いのではない。比べていないと、良い条件かどうかを判断できないことが問題
- 借りられる先は土地・時期・収入といった自分の条件で決まる。調べないと分からない
- 金利0.5%の差は決して小さくない。
我が家は選べる状態になかった。それでも、選べないという事実を早く知っていれば、心の準備も、借り換えの計画ももっと早く立てられた。
ここまで読んでいる人は、まだ契約前のはずだ。我が家と違って、選べる。そして選べるのは、契約するまでの間だけだ。
比べた結果、提携ローンがいちばん良いという結論になるかもしれない。それならそれでいい。確かめずに決めるのと、確かめて決めるのとでは、これから35年の納得感が違う。
入力5分で、いま自分がどんな条件を選べるのかが分かる。間取りには何ヶ月もかけた。ローンに5分かけない理由は、ないと思う。
※提携先の条件によっては、提案が出ないこともある。年収300万円未満の方や、自営業・法人役員の方が該当しやすい。
この記事は、我が家が実際に4,800万円の住宅ローンを組み、3年後に借り換えた経験をもとにまとめたものです。借りられる金融機関や条件は、土地・時期・収入によって変わります。ひとつの「リアルな声」として参考にしてください。
【免責事項】本記事の情報は執筆時点のものであり、制度変更や金利の改定等により内容が変わる場合があります。税務・金融に関するご判断は、必ず各金融機関または税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。
