家づくりで悩むポイント 注文住宅?建売?それとも中古?

注文住宅を建てるまで


家づくりを考え始めると、誰もが一度は悩むポイントではないだろうか。

どれを選ぶべきか迷っているということは、
まだ「これだけは大切にしたい」という基準が、はっきり言葉になっていないだけかもしれない。

私たちも同じように悩みながら、同時に検討してきた。
その過程で、
「注文住宅か、建売住宅か、それとも中古住宅か」
という問いそのものに、ひとつの正解があるわけではない、と感じるようになった。

大切なのは選択肢そのものではなく、
どの選択であっても、自分たちが納得できる基準を持って選べているかどうかだと感じている。

本記事では、
注文住宅・建売住宅・中古住宅を同時進行で見比べた実体験をもとに、
迷いながら判断軸を整理していった過程をまとめている。

家づくりを考え始めたばかりで、
「何を基準に考えればいいのか分からない」と感じている方にとって、
何か少しでも自分たちの優先順位を整理するヒントになれば幸いである。


1.注文住宅 ー 複数比較する中で見えてきた判断軸 ー

複数社を見比べる中で感じた「比べにくさ」

私たちは、注文住宅を選ぶとしても、複数の住宅会社(ハウスメーカー・工務店)を比較したいと考えていた。実際、図面案と概算見積を出してもらいながら検討していった。(この流れについては後述する。)

ただ、図面や見積を並べてみても、
「どれが一番良いのか」を単純に比べることは意外と難しかった。

というのも、住宅会社によって

  • 土地の条件が違う ※
  • 採用できる仕様が違う
  • 得意としているポイントが違う

など、前提条件がそろわないケースがほとんどだったからである。

※注文住宅の場合は土地を事前に自分で準備するか、住宅会社が持っている土地で建てることになる。情報収集はしていたものの、私たちの探していた地域では、いいと思える土地は自分たちでは見つけられなかった。

進めていく中で気づいた “完璧ではないけれど、納得できるライン”

打ち合わせや見学を重ねていくうちに、

「これはすごく良いけれど、条件が合わない」
「悪くはないけれど、決断に踏み切れない」

と感じることが多々あった。

その結果、“完璧ではないけれど、納得できるライン”を意識するようになっていった。

そこで私たちは、
各住宅会社ごとに「この状態なら前向きに検討できる家づくり」
を目指して打ち合わせをしていくようになった。

実際に体験した注文住宅の検討の流れ

我が家が体験した流れは、概ね次のようなものだった。

  1. 建売住宅やモデルハウスを見学
  2. 担当者に希望を伝え、次回までに図面案と概算見積書を作成してもらう
  3. 次回の打ち合わせで「図面案と見積を確認」し、「修正点があれば再調整」を繰り返す
  4. 必要に応じて、設備の見学や仕様の確認を行う

住宅会社や担当者によって多少の違いはあるものの、
大きな流れはどこも似ていた。

■図面と概算見積を見るときの意識したこと
 - 予算が大きくズレないために ー

平面図だけでは、仕様の詳細までは分からない。
そのため、

  • どの程度の仕様を想定しているのか
  • 自分たちの希望と大きくズレていないか

概算見積書に記載されている内容の詳細を確認すると良い。

床の素材、窓の種類、設備のグレードなどは、
実際に見学しながら確認するとイメージしやすい。

ここを曖昧にしたまま進めると、
「思っていたものと違った」という理由で、
後から予算が大きく変わる可能性もある。

「この見積でこの仕様だからこそ、納得できた内容だったのに・・・」
と、ならないようにするためにも、
実物が見れない注文住宅を検討する際には、特に注意すべき点だと感じた。

■打ち合わせを重ねる中で感じた「時間と労力」

打ち合わせにかかる時間は、内容にもよるが1回あたり2時間程度になることが多かった。
移動時間を含めると、半日がかりになることもある。

未就学児を連れての打ち合わせでもあり、
回数を重ねるうちに、想像以上に負担が大きいと感じるようになった。

■時間短縮につながった事前整理

後から振り返ってみると、
自分たちの希望条件をあらかじめ整理しておくことが、
複数社を比較するうえで大きな助けになったと思う。

具体的には、
・希望する間取り
・取り入れたい設備
・住みたい場所
・予算 
などである。

後半に回った住宅会社は、これらを具体的にしていたので、
修正回数が減った。

もちろん、すべての希望が通るわけではない。
だからこそ、妥協できる点と譲れない点を整理しておくことが大切ある。

・妥協した結果でも、自分たちにとって「納得できるライン=80点」に届くのか
・譲ったとしても大きな減点はないのか

の判断がしやすいからである。

注文住宅|この章で分かったこと

  • 注文住宅は自由度が高い分、比較や判断に時間と労力がかかる
  • 図面や見積だけでは分かりにくく、仕様の前提確認がとても重要
  • すべてを叶えようとすると決断が遠のくため、
    「完璧」ではなく「納得できるライン(80点)」を意識することが現実的
  • 土地やタイミングなど、自分たちではコントロールしにくい要素も大きく影響する

    理想を形にしやすい一方で、条件整理と覚悟が求められる選択肢だと感じた

2.建売住宅 - 判断しやすい一方、我が家が80点に届かなかった理由 ー

■完成した住まいを、その場で判断できる安心感

建売住宅は、注文住宅とは検討の進め方が大きく異なっていた。
すでに完成、もしくは完成形が決まっているため、
実物を見て判断できるという点は、想像以上に大きな安心材料だった。

常に視野を広げて情報収集し、
良さそうな物件があれば内覧を申し込んでいた。

■検討初期でも比較しやすかった理由

建売住宅は、事前に細かく希望や優先順位を整理していなくても、

  • 立地
  • 価格
  • 間取り
  • 内装や外観の雰囲気
  • 建物の性能面

といった分かりやすい軸で、
完成した住まいを前に、その場で総合的に判断しやすかった。

完成形を前に判断できる分、

「この家は好き」
「ここは少し違うかもしれない」

といった感覚的な判断がしやすく、
検討初期でも比較を進めやすかったように思う。

■図面ではなく「体感」で分かることが多かった

注文住宅では、図面や仕様書を見ながら想像を重ねる場面が多い。
一方、建売住宅では実際の空間に立ち、

  • 部屋の広さや天井の高さ
  • キッチンや洗面の使い勝手
  • 家事や生活の動線
  • 収納の量や配置
  • 室内の明るさや窓の位置

といった点を、その場で体感しながら確認できた。

「図面では十分そうだったけれど、実際に立つと少し狭く感じる」
「思っていたよりも動きやすく、暮らしのイメージがしやすい」

など、考えるよりも感じて判断できる場面が多かったことは、
建売住宅ならではだと感じた。

■「選べない」ことが、80点に届きにくくする要因にもなる

一方で、見学を重ねる中では、

内装の色や設備の仕様、
コンセントの位置や細かな動線など、
多少気になる点はあったものの、概ね満足できるものであった。

私たちの場合、それらよりも

・立地はとても良いが、断熱性能や建物の基本性能がやや物足りない
・建物の性能は良いが、立地が希望と合わない

といったように、立地や建物の性能といった要素で減点されることが多かった。
そのため、「大きな不満はないが、80点には届かない」という印象になるケースが多かった。

建売住宅|この章で分かったこと

  • 完成した住まいを実際に見て判断できるため、比較はしやすい
  • 図面では分からない広さや動線、使い勝手を体感できる安心感がある
  • 一方で、間取りや仕様を自分たちで調整することはできない
  • 立地や性能など、優先度の高い条件が合わない場合は点数が伸びにくい

    条件がうまく重なれば80点に届きやすい一方で、完成形を受け入れる判断が必要な選択肢だと感じた

3.中古住宅 - 80点の判断軸がより明確になった理由 -

■中古住宅を検討して感じた全体像

中古住宅については、戸建てとマンションの両方を検討した。
注文住宅や建売住宅と同時進行で検討する中で、
「中古住宅ならではの見え方」があると感じた。

中古戸建は、
立地・広さ・築年数・価格のバランスが取れた物件となると、
選択肢は一気に絞られ、実際に内覧できた数も多くはなかった。

一方で中古マンションは、
いくつか内覧する機会があった。

  • 駅からの距離
  • 周辺環境
  • 日当たり
  • 共用部の管理状況

などを、実際の暮らしに近い状態で確認できる点は、
大きなメリットだった。

また、築年数によって価格だけでなく
管理費や修繕積立金も変わるため、
マンション特有のランニングコストについても意識するようになった。

■「条件が良いのに安い」物件から分かったこと

中古住宅は、建売住宅よりも価格帯の幅が広い。
ただ、「条件が良いのに安い」と感じる物件ほど、
道路の狭さといった周辺状況や建物の状態、
リフォームが前提となるケースなど、
価格に影響する理由があることも多いと感じた。

リフォーム済み物件の中には、
一見すると劣化があまり気にならないものもあった。
しかし、設備の状態や、今後メンテナンスが必要になりそうな点については、
丁寧に確認する必要があると感じた。

■「これまでの暮らし」が空気感として伝わってくる

中古住宅を見て印象的だったのは、
建物の状態や空気感から
「これまでの暮らし」が自然と伝わってくることだった。

  • 部屋の使われ方
  • 収納の様子
  • 生活動線

から、どのような暮らしが営まれてきたのかが想像する場面もあった。

築年数を重ねれば建物は劣化していく。
一方で、使い方や手入れによって住まいの状態は大きく変わる。
これは、中古住宅を実際に見たからこそ実感できた部分である。

■住んでから影響が出やすい部分に目が向いた

内覧を重ねる中で、
「住み始めてから影響が出やすい部分」を
より意識するようになった。

  • 水回りの使用感や劣化
  • 窓まわりの結露やカビの有無

築年数が長い物件では、
結露の跡やクロスの傷みが見られることもあり、
断熱性や気密性といった住宅性能にも、自然と目が向くようになった。

こうした部分が欠けていると、私たちにとっては「納得できるラインの80点」に届かないのだと気が付いた。

この経験から、
間取りや立地だけでなく、住宅性能も重視したい
という考えが、より明確になっていった。

中古住宅|この章で分かったこと

  • 中古住宅は価格帯の幅が広く、条件と価格の理由が見えやすい
  • 「条件が良いのに安い」物件には、何かしらの理由があった
  • 建物の状態や空気感から、これまでの暮らし方が伝わってくる
  • 見た目だけでなく、住んでから影響が出やすい性能やメンテナンス面にも目が向くようになった

    間取りや立地だけでなく、「安心して長く住めるか」という視点が、より重要だと感じるようになった

まとめ|

希望に合う物件、条件が実際にあるかどうかによっても、選択肢そのものが大きく変わることも実感した。

注文住宅・建売住宅・中古住宅を並行して見ていく中で、
「何を大切にしたいのか」という視点が少しずつ整理されていった。
そのことが、家づくり全体を考えるうえでの土台になったように思う。

家づくりを考え始めたばかりの方は、
いきなり「理想の家」を決めようとしなくても、
まずは実際の住まいを見て、
「ここはいい」「ここは気になる」という感覚を集めてみることから始めてみるのもいいかもしれない。
日々の暮らしを具体的に思い浮かべながら見ていくことで、
自分たちにとって大切にしたいポイントが、少しずつ見えてくる。
その積み重ねが、納得感のある住まい選びにつながっていくのではないだろうか。

タイトルとURLをコピーしました